シリーズ企画展示「先生の推し本」第12回

「先生方のおすすめの本を知りたい!」という多くの学生の皆さんからのリクエストにお応えし、シリーズ企画展示「先生の推し本」としてお茶大の先生方おすすめの本を紹介しています。

先生方には、次の3つのテーマから1つ選択して、推薦いただきました。
  ① 専門からの推薦図書(専門領域の基本文献、その分野に進まれるきっかけとなった図書など)
  ② 個人的な興味・関心からの推薦図書
  (読後の印象がよかったもの、思い出に残っているもの、趣味・個人的関心に関係する図書など)
  ③ お茶大生に読んでほしい本(専門にかかわらず、大学生にぜひ読んでほしい推薦図書)

推薦いただいた本のリストと先生方からのコメントは、こちらのページで見ることができるほか、図書館1階スカイグローバルラーニングコモンズには実物を展示しています。

展示している本は、手に取ってご利用になれるほか、貸出も可能です(一部貸出不可のものもあります)。
ご来館の際はぜひお立ち寄りください。

このホームページや図書館で展示をご覧になった方は、アンケートにご感想をお寄せください。
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第12回 五十嵐悠紀先生(理学部情報科学科) 2024年9月24日~11月末

 テーマ 「使いやすさ」について考えてみよう~ヒューマンコンピュータインタラクション分野への誘い~
 <テーマ選択①>

私の専門分野である、ヒューマンコンピュータインタラクション(Human Computer Interaction: HCI)に関連する書籍をご紹介します。身の回りで使いづらいなと思ったことはありませんか?スイッチをつけたら思ったところと違う電気がついた。ドアを押して開けようと思ったらスライドドアだった…。そんな経験がある人も多いでしょう。人にとって「使いやすいデザイン」「間違えが頻発するデザイン」というのはどういうデザインなのか是非知っていただき、世の中の「使いやすさ」に目を向けてもらえたら幸いです。私は情報科学科の「ヒューマンインタフェース」の授業を担当していますが、他分野の学生さんたちにも共感していただくことができ、学びにもなる分野だと思います。

igarashi_photoお茶の水女子大学理学部情報科学科卒業、東京大学情報理工学系研究科コンピュータ科学専攻修士課程、東京大学工学系研究科先端学際工学専攻博士課程修了、博士(工学)。
明治大学総合数理学部専任講師、同准教授を経て、2022年よりお茶の水女子大学理学部准教授。
専門はヒューマンコンピュータインタラクションおよびコンピュータグラフィックス。
情報処理推進機構(IPA)未踏ソフトウェア2005年度下期「ぬいぐるみモデラーの開発」で天才プログラマー/スーパークリエータ認定。
 

五十嵐先生の推し本 一覧(2024/9/24更新)
 PDFでの一覧はこちらです。

書名 / 著者等.
(出版社, 刊行年月. シリーズ名)
配架場所
請求記号
先生からのコメント
より良い世界のためのデザイン : 意味、持続可能性、人間性中心 / ドン・ノーマン著 ; 安村通晃, 伊賀聡一郎, 岡本明訳 (新曜社, 2023.10) 図書館一般図書
757/N96
2023年10月発売の新しい本。私たちが目にするものの多くは人工的に作られたもの。気候変動、地球環境汚染、など人間が直面する危機を「デザインされたもの」という観点から説明して、デザインによって変えることができることを述べた本。
誰のためのデザイン? : 認知科学者のデザイン原論 / D.A.ノーマン著 ; 岡本明 [ほか] 訳. 増補・改訂版. (新曜社, 2015.4) 図書館一般図書
501/N96s
人が間違ったことをしてしまうのは人間のせいではない、デザインのせい、ということがとてもよくわかる本。ドナルド・ノーマン先生はこの分野の第一人者の一人で、とても有名な書籍の1つです。初版から25年たっても改訂され読み続けられるバイブル本。
複雑さと共に暮らす : デザインの挑戦 / D.A.ノーマン著 ; 伊賀聡一郎, 岡本明, 安村通晃訳 (新曜社, 2011.8) 図書館一般図書
501/N96
ドナルド・ノーマン先生の「誰のためのデザイン?」の続編。人間支援のデザインとは何か、「待つことをデザインする」とはどういうことか、など様々な具体例を挙げてデザインで解決する方法を述べた本。
新しいヒューマンコンピュータインタラクションの教科書 : 基礎から実践まで / 玉城絵美著 (講談社, 2023.2) 図書館一般図書
548.2/Ta78
2023年発売の新しい教科書。HCI分野が広く俯瞰されており、カラーで図解も多く、情報科学分野以外の人でも読みやすい本。
ウェブやアプリに新たな視点をもたらす100の指針 / Susan Weinschenk著 ; 武舎広幸, 武舎るみ, 阿部和也訳. 第2版 (オライリー・ジャパン, 2021.4. インタフェースデザインの心理学 ; [正] ) 図書館一般図書
548.96/W55o
人がどう見て、どう読み、どう記憶するのか…。など、人間の行動原理を意識した100個の指針をわかりやすく述べた、ロングベストセラー書の改訂版。レポートを書くとき、注目されるポスターをデザインしたいとき、わかりやすいプレゼン資料を作るとき。いろんな場面で知っておくと役立つ事柄ばかりです。
失敗から学ぶユーザインタフェース : 世界はBADUIであふれている / 中村聡史著 (技術評論社, 2015.2) 図書館一般図書
548.96/N37
身の回りの良くないインタフェース「BAD UI (バッドユーザインタフェース)」を知ることで良いインタフェースとは何か、を考えることができる本。この本を読むと身の回りのBADUIにとても気づくようになりますよ。
融けるデザイン : ハード×ソフト×ネット時代の新たな設計論 / 渡邊恵太著 (ビー・エヌ・エヌ新社, 2015.1) 図書館一般図書
548.96/W46
人の操作を前提とするモノやサービスのデザインについて具体的な事例を挙げながら、生活に融け込んでいるデザインとは何かについて考えることのできる本。
ヒューマンコンピュータインタラクション入門 / 椎尾一郎著
(サイエンス社, 2010.12. Computer science library ; 11)
図書館一般図書
548/Ko78/11
本学名誉教授の椎尾一郎先生ご執筆の本。ヒューマンインタフェースに関する一連の技術を広く学べる本。米国ACM学会のコンピュータサイエンス部門のカリキュラムを参考に、本学の教員が多く携わっているシリーズ「コンピュータサイエンスライブラリ」の1冊です。情報科学科の吉田裕亮先生の情報理論、浅井健一先生のプログラミングの基礎、小口正人先生のコンピュータネットワーク、伊藤貴之先生のCG、小林一郎先生の人工知能、数学科萩田真理子先生の代数入門…なども、ご興味があればお楽しみください!
デザインのデザイン / 原研哉著 (岩波書店, 2003.10) 図書館一般図書
757/H31
「無印良品」をはじめ、オリンピックや万博などでデザインを手掛けた有名デザイナー、原研哉氏が「デザインとは何か」について書いた本。
ユーザビリティエンジニアリング原論 : ユーザーのためのインタフェースデザイン / ヤコブ・ニールセン著 ; 三好かおる訳 (東京電機大学出版局, 2002.7. 情報デザインシリーズ) 図書館一般図書
548.961/N71
Webユーザビリティの第一人者であるヤコブ・ニールセン先生の著書。ユーザビリティ エンジニアリングについてまとめた解説書であり、ユーザビリティの評価手法や問題点についても述べられている。

* 展示では、五十嵐先生の著作から、『スマホに振り回される子スマホを使いこなす子 : ネット社会の子育て』 (ジアース教育新社, 2019.8)、『縫うコンピュータグラフィックス : ぬいぐるみから学ぶ3DCGとシミュレーション』(オーム社, 2021)[電子ブック]をあわせて紹介します。

五十嵐先生(2024/10/01)
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展示の様子
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[ポスターはこちら]

過去のシリーズ企画展示

第1回 加藤美砂子先生 乱読のススメ
第2回 三浦徹先生    発見と行動
第3回 小谷眞男先生   わたしを ・ なした ・ 本たち(とカルタ)
第4回 松島のり子先生 原点――そこから、それから。
第5回 難波知子先生  読書嫌いの私が出会った本 〈小さいおうち〉から〈青春の終わり〉・〈お別れの始まり〉まで
第6回 浅本紀子先生  私の思い出本~大学入学してから節目の時にあった本たち~
第7回 赤松利恵先生  地球環境の視点から毎日の食生活を考える
第8回 浅田徹先生   自分の研究観を作ったのは、他の領域の本だった
第9回 福本まあや先生  ダンスを語ろう、身体を知ろう。
第10回 米田俊彦先生      辛口の本をぜひ。
第11回 井上登喜子先生  わたしを動かした本