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■学部1年生にノートパソコンを貸与しました。
2007.06.08

 お茶の水女子大学では、あらゆる分野でロールモデルとなれる女性リーダーの育成を教育目標の一つに掲げ、平成16年度の法人化以降様々なプログラムを実施していますが、さらに、平成20年度から本格始動させる「21世紀型文理融合リベラルアーツ教育」では、文系理系にまたがるグローバルなテーマにそって、講義・討論・発表・実験実習・演習を組み合わせた科目群をつくり、少数制クラスの中で多面的に学ぶことで、「読み・聞き・書き・語り・作る」という5つの能力を養成する教育プログラムの改革を進めています。
この教育改革への取り組みとして、本学では、情報リテラシーの活性化を目標の一つに掲げ、その目標達成のために、今年度から学部新入生全員へのノートパソコンの無償貸与を開始しました。

貸与パソコン初期セットアップのためのオリエンテーション授業風景本学では、文系理系を問わず「情報処理演習」を全学1年生の必須授業に組み込むなど、従前から情報処理教育に力を入れており、今年度からのノートパソコン貸与もこの情報処理教育の一環として行うものです。特に以下のような目標を掲げ、それらに沿ったプログラムを盛り込んでいます。

1.

貸与用に準備したノートパソコンには、あえてワープロや表計算ソフト等のアプリケーションソフトを入れず、学生が自分で必要なソフトを自分でインストールし、自分なりのパソコン環境を構築し、学習に役立てられる技能を習得すること

2.

単なるパソコンの使用者としてではなく、パソコン管理者として自覚を持って管理できる技術と知識を習得すること

3.

ネットワーク利用に関して、セキュリティに関する知識を習得し、社会的責任を自覚すること

さらに、貸与期間の最後には、各自がパソコンを初期状態に戻す技術の習得(リカバリー講習)を、授業の一環として組み込んでいます。

郷学長から学部1年生の代表に貸与パソコンを渡す2か月間の「情報処理演習」の授業の中で、学部1年生全員がパソコンに関する基本的技術が習得できたことを契機に、2007年6月4日(月)に、三浦徹理事・教育機構長、羽入佐和子学術・情報機構長兼図書館長、浅本紀子総合情報処理センター長、茂出木理子図書・情報チームリーダー等の立ち会いのもと、郷学長から、1年生の代表に貸与のノートパソコンが手渡されました。
郷学長からは、女性研究者としてコンピュータやネットワークを利活用して、研究活動を続けてきた自身の体験談も交えながら、「多様化と社会のグローバル化が並行して進んでいる現代社会において、高度な教養に加え、発信し交渉する能力、領域横断的な視野、変化に対応する判断力をもった女性リーダーになるために、不可欠なのがパソコンの活用であり、情報処理能力である。自らパソコンを自在に使いこなすための正しい知識と技術を習得することによって、新たな情報化社会を切り拓く能力を身につけて欲しい」とのメッセージが述べられました。

貸与パソコンの活用支援に関しては、情報処理演習の授業以外にも、貸与パソコン相談室が中心となり附属図書館との連携協力のもと、セキュリティ対策、フリーソフトのインストール、無線LAN接続、データベース検索方法などの各種講習会を実施し、貸与したパソコンを学生が有効に学習に活用できるよう、サポート体制を整備しています。

附属図書館ラーニング・コモンズパソコンの無償貸与に併せて、本学では「21世紀型文理融合リベラルアーツ」の一環として、学習コミュニケーションの場になる附属図書館の改革を積極的に進めています。その一つとして、平成18年度の学長裁量経費により、附属図書館の改修工事を実施し、新しく図書館1階に、IT環境を整備した学生の自主学習スペースである「ラーニング・コモンズ」とそれに隣り合わせて図書・情報チームの事務室を設置しました。
この改修工事は、本学の中期計画の中で進めてきた「施設の有効活用」「学生支援施設の充実」に沿ったものですが、明るく開放的な空間に誕生したラーニング・コモンズには、約50台の学生用のパソコン,カラープリンターのほか、持ち込みパソコンを利用できる専用デスク、有線LANに加え、無線LAN を設備しています。備え付けのパソコンや学内LANを使用するための認証は、全学統一認証システムで管理しているため、管理業務が一元的に行える効率性に加え、貸与パソコンや個人所有のパソコンを持ち込んで使う場合でも、個人情報などのセキュリティ面でも安心して利用できる環境になっています。

人的なサポート体制面では、貸与パソコンについては「貸与パソコン相談室」を設け、専任の講師を配置したほか、図書館内のラーニング・コモンズには、大学院生の「ラーニング・アドバイザー」が常駐し、PCの利用方法ほか様々な相談に応じています。ラーニング・コモンズ・アドバイザーを務める大学院生にとっても、教育実践の訓練の場として有用な機会となっており、文系・理系学部が揃った本学ならではのサポート体制となっています。また、図書館と情報の担当職員の事務室をラーニング・コモンズとガラス窓で隣接した位置に置き、双方の開放感を損なうことなく、職員が学生に速やかに対応できるようにした点や、図書館での目録業務などの資料受入の基盤的業務が学生の目に触れるようにした点も、今回の図書館改修工事での新たな試みとなっています。

附属図書館ラーニング・コモンズで貸与パソコンを使う学生2007年4月のオープン以来、ラーニング・コモンズは連日、満席状態が続き、学内でももっとも学生が集まる人気スポットの一つとなっていますが、今後は、情報と図書という学習に欠かせないツールを活用した様々な新しい学習コミュニケーションの展開の場として、学内教員からも期待されています。


また、図書館ではラーニング・コモンズの新設に併せて、同じく平成18年度度の学長資料経費により、2007年4月に図書館2階にリベラルアーツ図書コーナーを新設しました。これまで本学では、附属図書館で学生用図書が十分には整備できてこなかったことが懸念事項として挙がっていましたが、「21世紀型文理融合リベラルアーツ」教育の本格開始に向け、学生用の図書の充足を全学的な取り組みとしてスタートし、IT環境の整備と併せ、リベラルアーツ支援図書館をキーワードにした附属図書館の改革を推進しています。

このようにお茶の水女子大学では、IT環境、図書館環境の改善を通じて、少人数教育が可能な女子大学としての特徴を生かした教育プログラムの改革を進めています。平成19年度は、学長を本部長とした「全学教育システム改革本部」を立ち上げ、教員、職員が一体となった教育システム改革をさらに重点的に推進しています。

図書・情報チームリーダー
茂出木 理子